FX

【第一章】スワップ金利と高金利通貨のリスク!!

さて、今回は、4部構成で安定的かつ比較的簡単に利益を上げられる方法をご紹介していきたいと思います。

その【第一章】は、基礎となるスワップトレードとそのリスクについてです!

では、本題に入っていくとしましょう!

Contents

FXにおけるスワップポイントとは?

まずは、FXにおけるスワップポイントは、ご存知でしょうか?

 

FXの経験がある方は、よく御存じかと思いますが通貨ペアの金利差調整額のことで政策金利の低い通貨を売って政策金利の高い通貨を買うとその差に応じた利子がポジションを所持している間、日々もらえるというものですね。
(例えば:USD/JPNの買いポジション等)

ただし、その逆もしかりで、政策金利の高い通貨を売って政策金利の低い通貨を買うと日々利子分が取られます(^^;
(例えば:USD/JPNの売りポジション等)

馴染みがない方には、分りにくいかもしれませんが、イメージとしてはプラススワップは外貨預金や銀行預金の利子で、マイナススワップはローンの利子みたいなものです。

 

FXのスワップトレードのメリットは、レバレッジがかけられるので、自分でリスクを考慮し利率を決められる事です。元手に対して持つポジション量を調節することで利率とリスクを自分でコントロールできます!

ちなみに、このスワップポイントはブローカーによりそれぞれ異なります。どこの業者でも一律同じわけではありません。後で出てきますが、この差を利用したトレード方法が一般的にサヤ取りとかアービトラージと呼ばれるものです。

 

そして、サヤ取りの前にスワップポイントの存在に気付いた初心者がよくやって失敗するのが高金利通貨でのスワップ投資です。銀行金利に比べると比ではないくらい利率が良く、毎日ちゃりんちゃりん残高が増えそうなので、一見するととても魅力的ですからね!

しかし、増えるスワップに目が行きがちで、高金利通貨の為替リスクに考えが及ばないことが多々あるのでよく考えずに安易に大ロットで取引しないようにしてください。

高金利通貨スワップトレードのリスク

スワップ魅力については、このページに辿り着いた時点で十分に感じていると思うので、ここではあえてリスクの方にフォーカスしてお話したいと思います。

特に高金利通貨は、リスクが高いから高金利であるという事実の上に成り立っていることをお忘れなきよう。

実際に始めてみるとスワップが積み上がる速度以上に手数料の高さ(スプレッド)と価格下落による含み損の増大で、思うような結果が出ないことがほとんどかと思います。

 

場合によっては、下落時の含み損に耐えられなくて、どん底で売って損してしまうなんてこともあります。

………と、ネガティブな事ばかり言ってしまいましたが、魅力的な利率ではあるので、リスクをしっかりと理解して上手く付き合えば、強い味方になりますので!

国内ブローカー高金利通貨ペア3兄弟

具体的には、下記3通貨が国内におけるスワップトレードで人気の高金利通貨の代表格ですね!

  • トルコリラ/円
  • 南アフリカランド/円
  • メキシコペソ/円

高金利通貨ペア3兄弟の必要資金はいくら?

で、いくらあれば、どの程度の利子がもらえるのかが気になりますよね?

ますは、下表をご覧ください。FXプライムbyGMOのサイトから拝借してきたデータで、それぞれの通貨を1万通貨保有するのに最低いくら必要かが書いてあります。

引用元:FXプライムbyGMO

レバレッジ25倍で1万通貨保持するのに必要な最低資金

南アフリカランド/円:3,166円
トルコリラ/円:7,929円
メキシコペソ/円:2,340円

(レバレッジがよくわからない場合は“こちら”)

ここに書いてある必要金額は、本当に最低分なので、少しでもマイナス側に動いたらその瞬間にロスカットです。

例えば、トルコリラを例にとり4円の下落を想定すると1万通貨所持するのであれば最低でも7,929(最低証拠金)+4×10,000(下落時含み損)=47,929円となり口座に50,000円程ないと耐えられません。

 

高金利通貨ペア3兄弟は、いくらもらえる?

●トルコリラ/円

引用元:FXプライムbyGMO

引用元:FXプライムbyGMO

 

●メキシコペソ/円

引用元:FXプライムbyGMO

引用元:FXプライムbyGMO

高金利の筆頭トルコリラ/円のリスクの実際

上記の試算で、トルコリラ/円を例に具体的に計算してみましょう!

トルコリラ/円を10万通貨で1年間スワップ運用をして310,250円と言う結果になっていますね。スワップの試算は、これでいいと思います。ただし、為替リスクは、ここには盛り込まれていませんね。

 

これだけスワップがもらえるのであれば、多少下がっても大丈夫だろうと実践する前は考えてしまうと思います。

 

では、実際に2018年の実績で考えてみましょうか!

 

先ほどのトルコリラ/円の必要資金から考えると4円の下落を想定するのであれば、50万円は必要ですね。

 

2018年1年間の最高値から最安値の幅は、いくらだったでしょう?
こちら”のページのチャートで試算してみましょう!

最高値:30.3384
最安値:15.3135
値幅:15.0249
含み損:15.0249×100000=1502490

160万円程口座にないとロスカットになっていましたね。

単純計算だと、1502490円÷365日≒4117円なので、スワップが1日4117円あってやっとトントンでしたね。

国内でトルコリラの高スワップを謳っているところの40倍近く必要です(^^;

 

50万円口座に入れてあって、スワップの積み上げがあっても到底足りないですね。

 

コツコツと年間30万の利益を狙いに行って、全資金失う典型パターンになるところでした。(※その他通貨ペアも上記と同じ要領で試算できます)

この様に為替リスクも十分に考慮する必要があります。為替の変動速度は、スワップの積み上げ速度の比ではないのがお分かり頂けたと思います。

 

ちなみに、下図がトルコリラ/円の月足チャートです。

 

一時29円の時に底を打ったなんて言われていましたが、ご覧の様に全くそんなことはなく、ずっと右肩下がりでした。

なので、長期のスワップ狙いで買っていたとしても含み損がどんどん増えるだけで、どの時点から始めたとしても、ほとんどプラスになる事はなかったでしょう。

 

下のチャートだと2014/12~2018/8の約3年半の間に38.5円の下落をしています。

10万通貨保持していたとすると、
含み損:-38.5×1,00,000=-3,850,000円
スワップ:310,250×3.5=1,085,875円
収支:-3,850,000+1,085,875=-2,764,125円

仮に、トルコリラ/円の底を捕らえる事ができたとすれば、大変魅力的な不労所得になるのですがね(^^;

トルコリラ/円 月足チャート

スワップトレードは、どうすれば良いのか?

前項では、高金利通貨のリスクばかり記載する形となってしまいましたが、チャートを週足や月足で大きく見て、レンジを形成しているドル/円やカナダドル/円を用いれば、上記高金利3通貨程利率は高くないかもしれませんがレバレッジを利かし、高金利3通貨よりも安全かつ効率的にスワップトレードができると思います。

これらの通貨は、行ったっきりではなく、戻ってきますので!

ドル/円 月足チャート

はい!ドル円の月足チャートです。

上がったり下がったりしても、ちゃんと真ん中付近に戻ってきており、レンジを形成してますね!

 

では、上で試算したトルコリラ/円と同じ条件で持っていたとしたらどうでしょう?
現状のドル/円買いスワップだと1万通貨あたり75円です。
(実際には、もっと低い時期もありました)

 

単純に2014/12に買って2018/8時点での価格で見てみると下落幅12円でした。

10万通貨保持していたとすると、
含み損:-12×1,00,000=-1,200,000円
スワップ:750×365×3.5=958125円
収支:-1,200,000+958,125=-241,875円

……比較例に出したのにマイナスって(笑)

 

とは言え、トルコリラと違い、大きく下落してもその後戻ってきているのがお分かりになると思います。

 

そのため、結果も上記例では若干マイナスですが、トルコリラ/円の1/10の損失ですね!それに、損失が24万円ならばあと一年もすればスワップのみでもプラスになるでしょう。

 

ドル/円だと下がり続けることはほとんどないのでトルコリラ/円ほどリスクは高くないと思います。

 

ここまでが、シンプルなスワップトレードについてでした。

 

この様にあまりリスクを取らずにコツコツとスワップポイントを得るのが狙いなのに為替変動リスクが大きく入ってきてしまうのは、好ましくないです。

 

スワップトレードなのに結局、含み損と闘わなければならないのであれば、トラリピやトラッキングトレードの方が断然良いと思います。

また、スワップポイントは未来永劫保証されているわけではなく、政策金利やブローカーの都合により変動するので定期的に確認する必要があります

 

そこで、次に為替変動リスクを排除すべく、“業者間同一通貨ペアサヤ取り”を考えることになると思います。

 

【次章】⇒【第二章】異業者間同一通貨ペアサヤ取り!!